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基調講演「オーダーメイド医療とバイオバンク」

拡大画像 簡単に個人情報保護策のいくつかをお示しします。個人の情報を入力するというのは誰でもできていいというものではありません。誰でもコンピューターを開けることができると問題がありますので、このようなシステムを使いまして、ICカードにコンピューターにアクセスできる方の指紋情報を入力しておきます。実際、コンピューターを開く方が指紋をおきますと、この機械の中でICカードに入力されている指紋情報と、指から読み取られる指紋情報がマッチングされ、合っている場合にだけコンピューターを開くことができるというシステムになっています。
拡大画像 それから、盗難に対する備えとしましては、例えば、データを入力中のコンピューターがどこかに持っていかれるとします。その場合には、コンピューターを開こうして何回か不正な操作(指紋照合の不一致)をしますと、このハードウェアの中に記録されている全てのものが消え去ります。昔、スパイ大作戦で情報を誰かが入手しないように、煙のごとくテープレコーダーが壊されるというものがありましたが、我々は不正アクセスが起こると、中のハードウェアの記録そのものを消してしまうということに配慮しておりまして、個人情報は決して外にもれないようなしくみにしています。
拡大画像 当然ながら、個人情報の取り扱いに関しても、別途非常に厳重な管理をすることを考えております。各病院、医療機関では、個人情報と匿名化した暗号と、それぞれの患者さんの臨床情報のデータベースが作られます。この中から、個人情報(どこどこのだれだれさんという情報)だけを切り離した匿名化番号と臨床情報だけが全体的な臨床情報データベースとして保管されます。
血清やDNAには個人を識別できるような情報は全く使わずに、この匿名化暗号Xがついたままで病院の外に出て行きます。したがって、病院の外には、いっさい、どこのだれであるかが分かるというような情報は出ないような仕組みになっております。そして、バイオバンクに血清とDNAが集められます。研究機関から依頼があり、バイオバンクから試料を提供する場合には、もう一回番号を組替えて暗号化システムを複雑にして、どこのだれの遺伝暗号がどうだというようなことがわからないような仕組みにしています。
拡大画像 繰り返して言いますと、匿名化と乱数化で2回暗号化を行うということと、個人を特定する情報と個人の遺伝子情報が絶対同居しないことによって個人情報が保護される仕組みになっています。また、公表されるのは、ある遺伝子を有する集団の特徴的なものでありまして、個人個人の方がこのような遺伝暗号を持っているという情報は一切外に出ません。繰り返しになりますけども、医療機関で、臨床のデータベースが管理され、その中から個人情報を切り離したものだけが統合データベースに蓄えられます。バイオバンクにあるのは、暗号と血清あるいはDNAサンプルですから、個人を特定する情報とDNAが結びつきません。研究機関には、もう一回乱数化した番号が出てきますので、どこかが破られても個人の遺伝子の情報と個人のどこどこのだれだれという個人識別情報がつながらないような形になっています。実際に医学的に重要な情報を解析しないといけませんが、それはデータ管理バンクに移されて行われます。この段階で、この統合データベースの情報と乱数対照表と解析した情報が集まりますが、ここには個人の識別情報は来ませんので、例えデータ管理バンクが破られたとしても個人の情報がどこかに出て行くということはありません。研究機関には、それぞれの患者さんの非常に詳細な臨床情報を渡すわけではありません。例えば「糖尿病でこの薬を使っている」程度の情報をもとに試料を提供しますので、細かい臨床情報が研究機関に出て行くというわけではありません。
拡大画像 現在、プロジェクトの仕組みとしましては、推進委員会が文部科学省の中に設置され、豊島久真男先生が委員長です。その下に我々現場で働く実施会議が設けられ、実施会議のもとに協力医療機関、それからバイオバンクジャパン、研究機関などが協力するような形でプロジェクトを推進することになっております。
拡大画像 プロジェクトの準備進行状況ですが、すでに倫理委員会は半数以上で承認されています。メディカルコーディネーターを養成する人数や参加病院数はここに書かれております。すでに日本大学では先週の初めから、患者さんに対するインフォームド・コンセント(用語解説>)とサンプルの収集を始めております。そして、他の医療機関におきましても、7月から開始予定で着々と準備を進めているという状況です。

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