プロジェクトからのご案内 未来につなぐ あなたの気持ち
実施概要各種資料ご案内Q&A
継続について 進捗状況 シンポジウム 研究について 試料配布について
プレスリリース 番組・記事の紹介 リンク集 当サイトへのリンク

シンポジストプロフィール(2003年8月現在、敬称略)
高木美也子 日本大学総合科学研究所 教授
1975年青山学院大学理工学部化学科卒業。1975年PARIS第7大学博士課程(生化学専攻)。1979年理学博士。1979年青山学院大学理工学部助手。1981年東横学園女子短期大学講師。1985年東横学園女子短期大学助教授。1985年東京工業大学工学部講師(併任)。1990年武蔵野工業大学工学部講師(併任)。1993年東横女子短期大学教授。1995年青山学院大学総合研究所客員研究員(併任)。1996年慶應義塾大学理工学部講師(併任)。2000年日本大学総合科学研究所教授、現在にいたる。研究留学歴は1985年仏政府招聘研究員として国立中央科学研究機関(CNRS)。1985年ジャック・モノー研究所に研究留学。1992年豪・メルボルン市、モナッシュ大学生命倫理研究所研究留学(私学振興財団より)。委員として1995年東京大学医科学研究所遺伝子治療臨床研究審査委員会。2000年日本生命倫理学会企画委員。2000年科学技術振興事業団「ヒトゲノム多型研究倫理委員会」委員。2000年バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)生命倫理委員会委員。2000年千葉大学医学部生命倫理審査委員会委員。2000年日本大学医学部倫理委員会委員。2000年理化学研究所横浜研究所研究倫理委員会委員。2001年文部科学省生命倫理・安全部会委員、同年文部科学省特定胚及びヒトES細胞研究専門委員会委員などを歴任。

シンポジウム要旨 『オーダーメイド医療に対する生命倫理的視点』
例えば、同様の病状のガン患者らに抗がん剤を投与したとします。Aさんは抗がん剤を大量に取らないと効かないし、Bさんは少量でも強い副作用が出る。この差は、どうしてでてくるのだろうか。抗がん剤は細胞を殺すわけだから、強い毒性を持つ。分解酵素の遺伝子の1文字の違いで、Aさんは抗がん剤をすぐに分解して無毒化してしまう一方、Bさんはなかなか分解できないというわけです。薬物治療に対するこのような個人差に、遺伝子構造がどのように影響するかを調べることを目的として、今回のプロジェクトが発足しました。研究対象の疾患は心臓病、ガン、糖尿病、白内障、脳血管障害など約30にも及び、従来の万人向け医療から患者の個人的体質に合わせたオーダーメイド医療への発展が期待されます。遺伝子の人種差から、外国人ではなく、日本人の患者に効く薬の開発が必要であり、本プロジェクトでは、日本人30万人分の遺伝子をデータベース化することを目標とします。
これが実現化すれば、患者は確実に効く薬を処方してもらえるというだけでなく、薬の開発時に、臨床治験が効率化され、時間、コストの軽減ができます。さらに、従来開発された薬物のなかで、効果があったにもかかわらず、一部の人に重篤な副作用を発現したため、使用されなくなった薬物の再生にも働くだろう。さらには、無駄な薬の投与がなくなり、医療費の軽減にも貢献します。
だが、このプロジェクトが薔薇色の未来をもたらすとは、断言できない。「ヒトゲノム計画」によって、個々人の遺伝子の違いはわずか0.1%であることが明らかになり、このため人種の違いは科学の問題ではないと断言されました。だがこの種の研究によって明らかになるであろう、ほんの僅かな遺伝子構造の差異は、特定の人種が特定の病気や身体条件と自動的に関連付けられるようになることも考えられます。要するに、これが科学的根拠に基づく人種差別につながる可能性も否定できません。さらに保険会社は、遺伝子に特徴を持つ人たち、つまり薬価が高くなる患者や治療法のない患者に対して、保険の適用を拒むことも考えられます。個人の遺伝情報の利用に際しては、厳しいルールの下で,研究者や情報取扱者の意識を高めて取り組まねばなりません。
 
戻る

 
オーダーメイド医療実現化プロジェクト事務局
All rights reserved. Copyright (C) 2005 BioBankJapan