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シンポジストプロフィール(2003年10月現在、敬称略)
河野輝昭
医療法人徳洲会福岡徳洲会病院 院長

1947年 山口県に生まれる
1973年   長崎大学医学部卒業
1978年   長崎大学医学部脳神経外科助手
1980年   脳神経外科学会専門医
1981年   米国ロッシュ研究所研究員
1985年   長崎大学医学部脳神経外科講師
1988年   国立循環器病センター脳血管外科医長
1990年   長崎大学医学部脳神経外科講師
1992年   福岡徳洲会病院脳神経外科部長
1994年   同 総診療部長
1997年   同 副院長
2000年   同 院長

日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中の外科研究会会員
日本脳卒中学会専門医
国際神経生化学学会正会員
日米医学交流財団評議員

シンポジウム要旨 「ゲノム医療に期待する」
私は脳神経外科専門医であります。医師となって30年間 特に専門医となってからの24年間は脳血管障害の外科的治療に専念してまいりました。これには私個人的な理由もあります。というのも医師になって3年目の秋、私の母がくも膜下出血で倒れました。当時は急性期手術は一般的でなく、約1週間後に手術を受けました。私自身3年目の医師であり脳動脈瘤の手術のできる腕もなく大先輩に手術をしていただきました。ところが、手術時麻酔の導入中に再破裂を来たし母は瀕死の状態に陥りました。手術は成功し、どうにか一命を取り留めたものの術後3ヶ月間は意識不明の状態が続きました。幸い麻痺はないものの全失語といって、自分から話せない、話しかけてもまったく理解出来ない状態が後遺症として残りました。その後自宅で静養をしておりましたが、専門医にもなり手術のできる脳神経外科医となっていた最初の手術から10年目に今度は反対側に新しく出来ていたと思われる脳動脈瘤破裂により急死してしまいました。このように自分の専門の領域で母をなくしたという自分の不甲斐なさを痛感し、私ども徳洲会グループが積極的に行っている、院内での教育講演、院外での医療口演などで入院患者様、外来患者様、さらに地域の住民の方々に、脳動脈瘤が破裂する前に脳の血管の検査を行い動脈瘤があるかないかを診断することがいかに大切かをお話させていただいております。
札幌医科大学のグループの報告では、脳ドックで未破裂動脈瘤を発見し手術を積極的に行うことで年々くも膜下出血を起こす人がいなくなり、このことから2045年ごろにはくも膜下出血がなくなるだろうという試算があります。2045年と言えば、すでに私が生存している確率も非常に少ないのですが、私はくも膜下出血という言葉が過去の遺産となることを夢見ています。
私が今回お話をする疾患は脳動脈瘤ですが、ゲノムプロジェクトにより脳動脈瘤自体の発生が根絶される時代が来ることを祈っています。
 
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