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シンポジストプロフィール(2003年10月現在、敬称略) |
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新川詔夫
長崎大学医歯薬学総合研究科
原爆後障害医療研究施設分子医療部門
| 1942年 |
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5月8日生まれ |
| 1967年 |
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北海道大学医学部卒業 |
| 1968年 |
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医師免許 |
| 1979年 |
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医学博士 |
| 1967年 |
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北海道大学医学部附属病院インターン |
| 1968年 |
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北海道大学医学部附属病院副手(小児科) |
| 1972年 |
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スイス・ジュネーブ州立大学助手(産婦人科) |
| 1976年 |
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北海道大学助手(小児科) |
| 1984年 |
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現職 長崎大学教授(大学院医歯薬学総合研究科
原爆後障害医療研究施設分子医療部門) |
| 2000年 |
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長崎大学遺伝子実験施設長(併任) |
日本人類遺伝学会理事・倫理審議委員会委員長
American Journal of Medical Genetics, Associated Editor
Journal of Human Genetics, Associate Editor
中国湖南医科大学名誉教授号授与
NIH ELSI 委員 |
シンポジウム要旨 「オーダーメイド医療と医学生命倫理」 |
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本年4月に、ヒトゲノム中の塩基配列の決定宣言がなされ、ヒトがもつ総計3万余個の遺伝子の存在が明らかになりました。一方、遺伝医学の発展によって、高血圧、糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病やアレルギー疾患、がん、感染症に対する抵抗性など、ほとんどあらゆる健康の問題にも遺伝や遺伝子が関係することが明らかとなってきました。近い将来は遺伝子情報を適切に用いて行う画期的な新世代医療である「オーダーメイド医療」が始まるものと期待されています。しかし、オーダーメイド医療の確立のために、ヒトゲノムの知識や遺伝学的な診断技術を如何に生かすかは、科学的なデータベースを構築すると同時に、生命倫理の視点からも十分検討されなければなりません。
ヒトの遺伝と遺伝子について考えるとき、(1)遺伝情報は生まれたときから一生変わらない、(2)遺伝情報の一部は家族・血縁者で共有される、(3)疾病の将来発症予測の可能性がある、の3点において、従来の医療情報とは異なる面があり、診断に用いる個人的な遺伝情報の管理は、保険会社、企業、学校などへの漏洩が起きないよう、倫理的・法的・社会的な問題に十分配慮する必要があります。また、遺伝的差別が引き起こされないような社会体制が整えられていなければなりません。
医学生命倫理の基本的精神は「人権の尊重」ですが、とりわけ、自己決定権の尊重、被害の防止、善行、正義の4原則からなるとされています。自己決定権の尊重は、個人の自由な意思決定を尊重することであり、患者さんは「知る権利」と共に「知らないでいる権利」や「同意しない権利」ももつことから、患者さんの決定が何よりも優先します。拒否してもその後の診療に不利益を被らないような配慮が不可欠です。「被害の防止」は患者さんを危害(被害)から守ることであり、個人の遺伝情報は守秘されなけらばなりません。「善行」はできるだけその患者さんのためになることをすることです。「正義」は、できるだけ公正に対応することで、社会的差別の防止や、リスクと便益、費用と効果などの社会的秩序維持にその基盤があります。上述のように、ヒトのゲノムや遺伝子は個々人に特有のもの(個人の所有物という意味ではありません)であり、さらにその一部は血縁者で共有されています。これらの観点から、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の3省は「「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」などを公表し、遺伝子診断に関しては本年8月に遺伝医学関連10学会が「遺伝学的検査に関するガイドライン」を提案しています。研究者や医療関係者はこれらのガイドラインに記載されている原則を守らなければなりませんし、私の知るかぎり忠実に遵守しながら研究や診療を行っています。
本シンポジウムでは、本「30万人プロジェクト」について医学生命倫理的な観点から皆さんと考えてゆきたいと思います。 |
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