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シンポジストプロフィール(2003年11月現在、敬称略) |
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中村祐輔
東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター
| 1977年 |
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大阪大学医学部卒業 |
| 1987年 |
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米国ユタ大学人類遺伝学教室助教授 |
| 1989年 |
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(財)癌研究会癌研究所生化学部部長 |
| 1994年 |
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東京大学医科学研究所分子病態研究施設教授を経て、1995年より東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター・センター長に就任し、ヒトゲノム計画の推進に先導的役割を果たすと共に、わが国から世界的なゲノム研究の成果を発信できるように研究を推進している。ヒトゲノム解析センターゲノムシークエンス解析分野・教授。 |
| 1992年 |
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高松宮妃癌研究基金学術賞 |
| 1995年 |
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日本人類遺伝学会賞 |
| 1996年 |
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武田医学賞 |
| 2000年 |
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慶応医学賞を各受賞 |
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シンポジウム要旨 「オーダーメイド医療とバイオバンク」 |
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ゲノムとは「生命の設計図」に相当するものであり、ヒトの場合、24種類の染色体(22種類の常染色体とX・Y性染色体)に分散する形で、約30億塩基対からなるゲノム(遺伝)情報が蓄えられている。われわれの体は、さまざまなタンパク質(体を形作っているものやホルモン・消化酵素・体を守るための抗体など)によって健康が維持されているが、このタンパクを作る情報をもっているのが遺伝子であり、遺伝子には、いつ、どこで、どれだけ、どのような働きのタンパク質を作るかを規定するプログラムが書き込まれている。
食事・生活環境・ストレスなどさまざまな外的要因や内的要因によって、健康を維持するために必要な調節機構に異常が生ずると、タンパクの量に過不足が生じる、あるいは、タンパクの性質が変わって本来の働きができなくなる。その結果、生命活動の維持に必要なさまざまな物質(タンパクだけではなく、さまざまな健康に必要な物質)にアンバランスが生じて、結果としてさまざまな病気を引き起こすことにつながる。ゲノム研究が進むと、これらのアンバランスを起こす原因が明らかとなり、病気を起こす仕組みについての科学的かつ詳細な機序の解明が進むことは確実である。
したがって、ゲノム研究が進めば、(1)病気を起こす仕組みが遺伝子やタンパク質レベルで科学的に詳細に解明される、(2)病気を起こす原因に基づいて新規診断法を確立でき、また、これらの情報から薬開発の標的分子を特定することにより、画期的な治療薬の開発が行われる。(3)同じ診断名や類似の症状の病気であっても、その背景となる病気を起こす仕組みの違いが分子レベルで明らかとなり、それらの違いを考慮にいれた薬の使い分けなどの医療の個別化(オーダーメイド化)ができる。そして、(4)将来的には、個人個人の病気に対するかかりやすさの判定が可能となり、病気の予防につながる。
ある病気に罹りやすいかどうか、あるいは、ある薬剤に対して副作用を起こしやすいかどうかなど、個人個人の違いをこれまでは「体質」として理解してきた。今や、この「体質」が遺伝暗号の違いという形で科学的に説明されつつある。お酒に強い・弱いなども、体質と呼んできたが、これらはアルコールを分解する酵素の遺伝的な違いであることはすでによく知られている。現在、このような遺伝暗号の違いをデータベース化する作業が世界的に進められているが、その最終的なゴールは、遺伝暗号の違いをもとに、病気の原因、副作用の原因などを明らかにして、新しい治療薬や診断薬を開発することにある。
我が国では、2000年春より、ミレニアムゲノムプロジェクトという形で基盤情報のデータベース化、解析技術の開発が行われ、現在は世界的にみてもこの研究分野で優位に立っている。多くの疾患は、遺伝的な要素と環境要因とが複雑に組み合わさって発症に至るが、遺伝的な違いがある病気の発症に関わっているのであれば、患者さんの協力が得られればそれらの解明をほぼ確実になし得る状況になってきている。本年度より文部科学省の支援でスタートする新しいプロジェクトでは、出来る限り多くの患者さんから協力を得て、研究資材を管理・供給するバイオバンクジャパンを作り、日本人のためのデータベース構築を目指している。これらの貴重な資材を、研究機関と協力して活用し、病に苦しんでいる方々の一助になりたいと考えている。 |
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