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患者本位の医療が実現する場合、どんな恩恵があるのかというふうに考えますと、一つは先ほどから先生方がご指摘なさっていますけれども、副作用の防止というのが可能になるだろうと考えています。それからもう一つは、体質に合った処方や医療の提供というものが、可能になるだろうと考えています。
それからこれは産業サイドですけれども、医薬品の開発コストの削減が可能になります。これだけでは単に製薬会社がもうけるだけじゃないかと、皆さんおっしゃるかもしれませんけれども、医薬品のコスト、価格を下げることも可能になるだろう、つまり皆さんが同じ医療費を払っても、様々な医薬品の供給を受けることができるようになると考えています。
それからもう一つ、今もっと重要な問題は、医薬品の開発コストが100億円、しかも12年ぐらいかかるようになってしまいますと、患者さんが少ない病気に関しては投資が回収できないので、大手の製薬企業がどんどん開発をしなくなってきている、ということです。そういう意味では、このオーダーメイド医療実現化プロジェクトを通じて医薬品の開発コストが下がれば、今まで治療法のなかった、患者さんが少ないような病気でも、医薬品の開発が可能になるだろうと考えています。したがって安全で効果のある新薬の開発というものが加速されてくるだろうと考えています。
また長期的に見た場合、医療の手立ては何も医薬品がすべてではないだろうと考えています。私たちが体質をきちっと理解することによって、食生活や生活環境といったライフスタイルを変えることができるようになることで、成人病、生活習慣病の発病までの時間を遅らせることが、相当程度できるようになるだろうと考えています。こういったことは、多分このプロジェクトから出てくる科学知識を社会の皆さんが咀嚼をして、自分のライフスタイルを変えることによって可能になるだろうと考えています。むしろ、私はそちらの効果のほうが、実は大きいのではないかと考えています。
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