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「患者本位の医療と新しい製薬産業の調和を目指して」

   
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この会場の中にも実際に服用していらっしゃる方がおいでと思いますけれども、抗コレステロール血症剤というのがあります。動脈硬化を治療する医薬品だと言われていて、三種類の薬があるのですが 同じ3種類の医薬品を飲んでも、遺伝的な差によってはHDLコレステロールという善玉コレステロールが下がってしまう、むしろ治療よりも悪化してしまう人がいるというようなことが分かり始めてきています。私たちは体質ごとに合った医薬品の提供というものが、もっと確実なものにならなければいけないだろうと考えます。

直近の問題は、やはり巨額の医療費が日本で無駄に使われているだろうと思われる薬害による、薬の副作用による治療費です。私たちはこれを何とか削減して、不幸な副作用の発生も、無駄な医療費の発生も防がなければいけないだろうと考えています。私はオーダーメイド医療実現化プロジェクトの最初の効果というものは、こういったところに表れてくるのではないかと考えています。

   
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実は今、現実問題として医薬品の研究開発費がどんどんどんどん上がる一方、新薬はどんどんどんどん出なくなっています。これが、先ほど皆さんに申し上げたとおり、患者さんの比較的少ない疾病に関しては、どんどん手抜きが行われている状態を招いています。例えば、今世界のトップ10の巨大製薬会社の中で、感染症の新薬を開発している企業はたった1社になってしまっています。
今や薬剤耐性の結核や、熱帯の地方ではマラリアという問題が実際あるのですが、開発コストの高騰によって企業がなかなか研究開発にインセンティブを感じられない状況を招いています。私たちはオーダーメイド医療の実現化プロジェクトによって、この医薬品の開発コストを下げることができれば、より多くの患者さんたちを救うことができるようになるだろうと考えています。
   
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臨床試験をするときに、あらかじめ遺伝的な情報の差によって、効く患者さんだけを集めれば研究と臨床試験の期間とコストを下げることが可能になるだろう、それから臨床試験に参加していただく患者さんにとっては、自分が効かないのに、新薬の単なるモルモットになるというご迷惑も少なくなってくるだろうと考えています。
   
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実際の動きの一端をご紹介しますと、オーダーメイド医療の先駆けの薬として、現在グリベックという薬がわが国でも発売されております。 この薬は通常96ヶ月かかる臨床試験から新薬の製造承認申請までの過程が32ヶ月で終わってしまった薬です。これはまさに、オーダーメイド医薬というものが、臨床開発の期間と費用を大幅に削減するということを証明しています。
   
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また、この11月4日、正確にはアメリカ時間の2003年11月3日にアメリカの食品医薬品局という日本の厚生労働省にあたるところが、遺伝的な多様性の情報に基づいて新薬を開発しましょう、それにあたっては、このようなデータをつけ加えたらいいのではないかという指針を出してきています。これはまさに、本格的にオーダーメイド医薬というものが実用化をしようということを、米国政府が表明したものだと考えていいだろうと思います。
   
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実際のところ、もう世界中大手企業はこの方向に向かっています。ところが、残念ながら日本ではエーザイという企業1社のみが、こういったファーマコジェノミクス・ワーキンググループという、オーダーメイド医療を実現化しようという業界団体に参加してるだけにすぎません。ですから、そういう意味では日本の製薬企業の意識は、まだ低いだろうと考えています。

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オーダーメイド医療実現化プロジェクト事務局
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