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このような研究をするようになった経緯の一つとして、ゲノム研究の進展というものがあります。日本ではこの言葉がなかなか社会には登場しませんでしたが、20年ぐらい前からアメリカではゲノム研究が重要視されておりました。ゲノムというのは生命の設計図に相当するもので、ヒトにはヒトの設計図、イヌにはイヌの設計図、ブタにはブタの設計図があり、それぞれのゲノムに応じてそれぞれの形が作られます。ヒトの場合24種類の染色体というパッケージになった形でゲノムを見ることができます。このゲノム情報の化学的な物質名がDNA、デオキシリボ核酸というものです。
私たちのゲノムはA、G、C、Tという四つの暗号文字だけでできています。この暗号文字が30億つながってわれわれのゲノム、生命の設計図を形作っております。この30億文字は配列に関してはほぼ全容が今年2003年の4月には明らかになっております。しかしながら、それでゲノムがすべてわかったのか、生命の設計図がすべて読み解かれたのかというとそうではありません。いろいろな形で社会に役立つ形に結び付けてゆくには、医療へ、あるいは生物学へと情報が利用されていく必要があるのです。病気の原因を解明する研究は、これまでの世界のゲノム研究の成果を実際の医療に役立てることにつながります。病気の原因を解明する上で一つの重要な情報となるのが、300万から1000万カ所個人個人間で違っている遺伝暗号です。30億の遺伝暗号から出来ている私たちのゲノムうち0.1から0.3%程度は個人間で違いがあり、この違いをスニップ(SNPs)と呼びますが、われわれが研究をしていく上で重要な手がかりとなっております。 |