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シンポジストプロフィール(2004年3月現在、敬称略)
徳留信寛
名古屋市立大学大学院医学研究科教授

【略歴】
1969年 九州大学医学部医学科卒業
1972年   九州大学医学部公衆衛生学講座助手
1976年   医学博士(九州大学)
1977年   公衆衛生学修士(ジョンス・ホプキンス大学衛生公衆衛生学校)
1977年   米国国立保健研究所・がん研究所で客員研究員としてがんの疫学研究に従事
1980年   佐賀医科大学地域保健科学講座助教授
1992年   名古屋市立大学医学部公衆衛生学教室教授
2002年   古屋市立大学大学院医学研究科健康増進・予防医学分野教授(現在に至る)

研究テーマなど: がん・生活習慣病の疫学と予防、食生活関連疾患の予防、健康増進の科学
所属学会など: 日本衛生学会・評議員、日本公衆衛生学会・評議員、日本産業衛生学会・評議員、日本癌学会・評議員、日本疫学会・理事、日本栄養改善学会・理事、日本脂質栄養学会・評議員、日本がん疫学研究会・代表幹事、日本がん予防研究会・世話人、日本がん分子疫学研究会・幹事、Japanese Journal of Clinical Oncology 編集委員、Asian Pacific Journal of Cancer Prevention 編集委員

シンポジウム要旨 「オーダーメイド医療を考える −健康増進・予防医学の立場から」
健康は人生の目的ないし必須要件ではありません。しかし、私どもは自分と家族の健康、長生き、安寧を願っています。健康は生活の質の向上、幸福の追求、自己実現、人生の完成のための資産として重要です。

わが国では一昨年「健康日本21」が策定されたのち、健康増進法が施行され、地方公共団体の現場で疾病予防・健康増進のための一次予防、疾病の早期発見・早期治療のための二次予防が推進されています。そのなかで生活習慣病の一次予防が最も大事です。主な生活習慣は食生活、嗜好(タバコ、アルコールなど)、労働、身体活動、休養、睡眠、ストレスです。

これまでの移民の研究や分子疫学研究によれば、ヒトの疾病予防・健康増進のためには、遺伝子の研究に加えて、遺伝子と生活習慣との相互作用の究明、生活習慣要因の変容(リスク要因の回避・予防要因の取り入れ)が重要であると示唆されています。

ヒト遺伝子が解明され、ポストゲノム時代、ポストシークエンスの世紀となり、遺伝性疾患の予防、個々人にあった疾病診断・治療が現実のものとなり、遺伝子と環境要因との相互作用の証拠に基づいた疾病予防・健康予測が可能な時代を迎えています。

ヒトは独自の遺伝情報を持っており、その点からも生命はかけがえのないものです。遺伝子は究極の個人情報です。遺伝子の分析にあたっては、保健・医療関係者は各人からインフォームドコンセントをいただき、個人情報保護を厳守しなければならないのはいうまでもありません。

一方、世界中の人びとは多くの同じ遺伝子を共有しています。すなわち、遺伝子の研究、遺伝子と環境要因との相互作用の研究成果は、私と私の家族だけではなく、日本人、世界中の人びとのオーダーメイド疾病診断・治療、疾病予防・健康予知に活かされる人類共通の財産であり、叡智だといえます。
 
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