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基調講演「ひとりひとりの体質に応じたオーダーメイド医療とバイオバンクジャパン」

   
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次に、このプロジェクトの推進の方策をお示します。推進委員会で、対象病名あるいは予算案などが決められ、私をリーダーとする実施会議が実際の運営に携わっております。ご協力して頂いている医療機関はここにお示しした8医療機関で、私どもにDNAが管理されます。研究に参画しているのは、現時点では、理化学研究所の遺伝子多型研究センターと、私どもの東京大学医科学研究所です。

   
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プロジェクトの進捗状況をご紹介しますと、これまでにこの8医療機関で順次患者さんへの依頼が始まり、2月29日迄に4万強の方に依頼して、3万6千人の方に協力を得て、現在1人の患者さんについて3本に分けてDNAを保管しておりますので、約10万本のチューブが私たちの手元に届けられて管理されております。90%近くの方にご協力を頂いておりまして、非常に感謝しております。これを社会に還元する、患者さんに還元する形で、患者さんのご協力を無にしないような形で研究を進めて、より良い医療の為に利用して行きたいというように考えております。

   
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最後に、時間もなくなりましたけども、私のこの遺伝子の研究に対する個人的な考えであるというようにご理解して頂いた上で、これからのコメントを聞いて頂きたいと思います。遺伝子の研究に対しては様々な批判がございます。私が申し上げてきましたのは、この光の部分であり、病気の原因がわかり、薬ができる、予防ができる、薬を有効に使うことができる部分です。しかし、当然ながら悪用しようと思えば生命保険などに入る時に差別をする、あるいは社会差別に繋げようと思えば繋げることが可能であります。そのようなリスクを覆い隠すつもりはございません。しかしながら、今ベッドで苦しんでいる方、いろいろな副作用で苦しんでいる方にとっては、やはり新しい医療、良い医療が必要です。
   
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光を最大にして影を最小にするために、私たちが何をすべきかを最重要課題として考えるべきであると捉えております。当然ながら、光を最大限にして影を最小にする為には、法律を作って遺伝子を悪用しないような抑止力にするということが必要であると、私は個人的にずっと思っております。生命保険などの差別を生まないような法制度の整備も必要だというようにも思います。アメリカでは、既に2003年の10月に遺伝子差別を禁止する法律が国レベルで可決されておりまして、遺伝子を差別に用いてはならないということが明確に打ち出されております。もう一点は、教育の問題です。遺伝子が差別を生むということをよく言われる方がいらっしゃいますけれども、決して遺伝子が差別を生んでいるわけではなくて、元々ある差別に遺伝子を結びつけようとしているのが問題であるというように思います。遺伝子が差別を生むのではなくて、差別を生んでいるのは人の心でありまして、この遺伝子の問題にかかわらず様々な差別を防ぐために私たちは、みんなが違っていてもそれを理解し合うという教育をする必要があるというように私自身確信しております。
   
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これは、昨年度ヒットしたスマップの歌の歌詞です。まさにこういう気持ちが私たちには必要だと思います。私たちはみんなそれぞれ花を咲かせる為の種を持っています。皆個々の自分自身の花を咲かせるために、一生懸命に日々を大切にして生きて行けば良いわけであります。お互いに、相手がどんな花を咲かせようが、それを尊重するという気持ちが大事であり、個々を認め合い必要であるというように心から感じられる世の中であって欲しいと思っております。だから遺伝子の違いというものを通して、みんなが違っているのだということを認識して個々を大切にできる、それを基にして差別を無くすような教育に展開して頂ければというように私自身願っております。差別を生む危険性を、一方的に非難して遺伝子の研究を妨げても、そこからは何も生み出されないというように思います。みんながお互いに知恵を絞りあって、光を最大にして影を最小にするという努力を更に努力をし続けて行くべきだと思います。そのような気持ちを是非ともご理解して頂きたいと思います。
   
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それからもう一点、メディアの取り上げる題材として、私たちと患者さんが対立する構図を作り上げようとされることが、しばしば見受けられます。メディアのつくられたこのような構図が生み出す結果としては、もっとも不利益を受けるのは患者さんではないのか、と私自身は考えております。私たちは、“患者さんと協力し合って、病気というものをやっつける”という取り組み方をして行きたいと思っております。本日ご来場頂きました皆様には、是非私たちの趣旨をくみ取って頂きたく願っております。医療機関の方も含め、患者と医療従事者と研究者の三者が連合することによって、はじめて病気を克服することが出来るのだということを、ご理解賜りたいと願っております。
   
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 最後のスライドになります。先に上映されました、いとうまい子さんが登場されているビデオにもありました通り、私たちのキャッチコピーは、“未来につなぐ あなたの気持ち”であります。同じ病気で苦しんでいる方、あるいは病気に苦しむかもしれない私たちの子孫の為に、是非ともこの研究の趣旨をご理解頂きご協力賜りたいと願っております。所々、割愛してわかりにくい点があったかもしれませんが、私たちの気持ちはこの最後の1枚に込められておりますので、いろいろなご意見やご批判はあることと思いますが、病気で苦しんでいる方の為に、“私たちの気持ちを将来に繋ぎたい”という点を、是非ともご理解頂けますことを願って私の話を終わりたいと思います。どうもご静聴有難うございました。

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