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シンポジストプロフィール(2004年3月現在、敬称略)
上村一仁
全国腎臓病協議会員

【略歴】
1970年 10歳のとき急性腎炎と診断され、1年半の入院生活を送り回復。
1985年   信州大学経済学部卒業後、コンピュータメーカー、外資系コンサルティング会社でシステムエンジニア、コンサルタントとして従事。
1999年   1996年に慢性腎不全となり保存期を経て血液透析導入。
現在   長野県松本市在住、キッセイウェルコム株式会社企画管理部長

シンポジウム要旨 「透析患者から見たオーダーメイド医療に対する期待」
現在日本における透析患者の数は約23万人で、毎年約1万人の新たな透析患者が増加しています。透析医療にかかわる医療費は年間1兆円を超えています。

透析に至る原疾患はさまざまですが、腎機能が低下し腎不全が慢性化した患者は透析を受けないと生きられない存在です。1回4〜5時間の透析を週3回、死ぬまで続けなければなりません。それでも、世界最高水準といわれる透析技術と医療制度の整備のおかげで、30年ぐらい前までであれば、ほとんどの慢性腎不全患者が亡くなっていたのですが、現在では体調管理さえうまくできれば、健常者の方とほとんど変わらない形で社会生活を送れるようになりました。

長期における透析が普通になり、患者の高齢化も進んでいる今日において、透析患者が最も望んでいるのは合併症の解決です。透析は体の老廃物や過剰な水分の除去という腎機能の一部を代替するに過ぎませんので、血圧のコントロールや貧血改善、カリウムやリン、カルシウムなど電解質の調整が上手にコントロールすることができず、さまざまな合併症に苦しんでいる多くの患者がおり、合併症が患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を脅かす最大の問題となっています。この合併症の発生の仕方とその程度は個人個人によって異なり、また合併症予防・治療のための薬剤の効果、副作用の程度もその人によって異なります。

オーダーメイド医療に期待するところは、遺伝子レベルでの合併症のメカニズムの解明と個人個人の体の状態に合った薬剤の開発や治療法の確立です。また透析患者にとって食生活の制限も深刻ですので、制限をできるだけ軽減できるような薬剤や治療法が開発されれば、透析患者のストレスは大幅になくなります。食生活について言えば透析導入前の保存期患者にも大きな福音になるでしょう。そして将来的に、腎疾患そのものの発生メカニズムの解明とオーダーメイドの治療法が確立されれば、透析に至らずに治癒することも夢ではなくなります。これは日本や欧米先進国と違い、透析を受けることができずに亡くならざるをえない世界中の多くの腎疾患患者の大きな希望となることは間違いありません。

透析患者の合併症の予防と治療、QOL向上のために、そして究極的には腎疾患そのものの予防・治療法がオーダーメイドに実現されていくことを心から期待しています。
 
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オーダーメイド医療実現化プロジェクト事務局
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