プロジェクトに関するQ&A

用語に関して

Q. 「オーダーメイド医療」とはどういう意味ですか?
A. オーダーメイド医療というのは、個々人に最適な予防法や治療法を可能とする医療です。洋服を例として考えてみます。同じサイズの洋服をいろんな体型の人に無理に着せると、だぶだぶな人もいるし、窮屈な人もぴったりな人もいます。今の医療はまさにこういう形で、ある診断がつくと、その診断に基づいて同じように同じ量の薬を投与しています。そのため、ある薬はある患者さんには合うけれども、ある患者さんには合わないということがでてきたり、強い副作用がでてしまう人がいたりします。私たちの目指す「オーダーメイド医療」は個々の患者さんの病気のタイプを、オーダーメイドの服を着せるようにきっちり測って、それぞれにぴったりした治療を提供するというものです。それは遺伝暗号の違いを明らかにすることによって、一歩ずつ進んでいます。
 
Q. 新聞やテレビでは、「テーラーメイド医療」という言葉も使われていますが、「オーダーメイド医療」と何か違うのですか?
A.

個人の遺伝情報に応じて患者さん一人一人にあわせた医療を目指しているという点では同じですが、私たちは2つの点からテーラーメイド医療でなくオーダーメイド医療という言葉に私たちの目指す方向を込めています。

1点目は、テーラーメイドという日本語は服についてよく使われる言葉ですが、一部のお金持ちにしか手が届かない高級な感じがあり、このプロジェクトでめざしている『誰もが自分自分にあった医療を受けられる未来をつくる』という目標からイメージされるものとはかなり違ってきます。オーダーメイドという言葉は広く普及して、誰でもが手に入るような印象を与えますので、私たちが目指している目標がよりわかりやすく伝わります。

2点目は作る側と受け手側の関係の問題です。テーラーメイドで服を作るということはテーラーが主役です。したがって、テーラーメイド医療という表現では、テーラー、すなわち、医者や研究者が医療の主役というイメージになってしまいます。私たちが目指しているのは、患者さんが主役となる医療であり、『患者さんの病気や体質をよく知った上で、少しでも患者さんの状況に応じた医療』を提供する、患者さんのオーダーに合わせた医療を確立することです。

したがって、オーダーメイドという表現がわれわれの目標を正確に表していると考えています。

 
Q. メディカルコーディネーターとはどのような人なのですか?
何か資格を持っているのですか?
A. メディカルコーディネーターは、個人情報の重要性や、プロジェクトの内容について十分理解した上で患者さんに説明するために、プロジェクトの方針にのっとって各医療機関が指名し、私たちが養成しています。患者さんの個人情報を保護するために、法的に守秘義務を負っています。
 
Q. 『インフォームド・コンセント』とは何ですか?
A.

この言葉は「説明を受けたうえの同意」と訳されています。治療方法の選択や、新薬の治験への参加依頼、研究への協力参加依頼などで行われます。
インフォームド・コンセントは医者やメディカルコーディネーターの説明を受け手が十分に理解し、納得し、同意して初めて成り立つものです。説明者は目的や方法、予想される効果や起こりうる不利益の可能性、参加した場合の権利等について受け手にわかりやすいように説明します。受け手はわからないことについて質問し、十分に理解したうえで、同意するかしないかを自分の意志で決定することが重要です。

オーダーメイド医療実現化プロジェクトでは、専門のメディカルコーディネーターが協力医療機関共通の説明用パンフレットを用いて説明を行います。わからないことは何でも聞いてください。またプロジェクトへの協力に同意するかしないかは本人の自由な意思によるもので、同意しない場合でもそれによって不利益を受けることはいっさいありません。また一度同意しても後から撤回することも自由です。

 
Q. 『QOL(キュー・オー・エル)』とは何ですか?
A. 英語のクオリティー・オブ・ライフ(Quality Of Life) の頭文字をとった略語で、日本では『生活の質』と訳されています。わが国の平均寿命は女性はいまや世界一で、男性も世界2位であり、これまでどの国も経験したことのない急速なスピードで高齢化社会を迎えようとしています。ただ長生きするのではなく、健康で生活が豊かな生き生きとした人生をおくること(健康寿命を長くすること)は、これからの私たちすべてにとって最も重要な課題といえるでしょう。
 
Q. ゲノムとはどのようなものですか?
A. ヒトの30億塩基対からなる遺伝情報のことです。その根本となる化学物質(DNA)は二本鎖からできており、そこに載っている遺伝暗号の文字A、G、C、Tの並びが、私たちの生命の設計図を形作っているのです。私たちはこの生命の設計図を染色体という形で見ることができます。遺伝暗号は私たちの姿かたちが違うのと同じようにかなり違いを持っています。違っている箇所というのは割合では零点数パーセントですが、数でいうと300万から1000万箇所にものぼります。私たちは、この遺伝暗号の違いをもとに病気というものを考え、それを通して新しい治療法や診断法を開発しようと考えています。
 
Q. 染色体とはどのようなものですか?
A. DNAとタンパク質からなる遺伝情報をもつ物体のことをいいます。ある細胞が1個から2個に増えるとき、DNAも倍になって2つの細胞に分かれます。 DNAは糸状で伸ばすと数メートルにもなりますが、細胞分裂のときにはもつれ合わないようにらせん状に折りたたまれ、染色体を構成します。私たちは、この細胞分裂の時に「染色体」という形でDNAの塊を目にすることができるのです。染色体の数は生物によって決まっており、ヒトの染色体は23対=46本から成り立っています。
 

オーダーメイド医療実現化プロジェクトに関して、質問等がございましたら、以下のフォームにお書き込みのうえ、送信してください。
お送りいただきました質問については、主なものに対し、このサイト上にてお答えしていく予定です。
個別での対応はできませんので、ご了承ください。

 
 

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