バイオバンク通信第3号 2/4

バイオバンク通信

提供していただいたDNAが研究に生かされています
~DNAが解析されるまで~(下)

 「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」でみなさまからご提供いただいた試料は、「バイオバンクジャパン」で大切に保管されています。お預かりした試料のうち、DNA は、独立行政法人理化学研究所・遺伝子多型研究センターで解析作業が行なわれています。患者さんのDNA 情報と、健康な人のDNA 情報の違いを探す作業です。

 DNA の遺伝暗号が1文字だけ違う部分のことを「SNP」と呼びますが、多くのSNP の中から病気と関係するSNP を探す作業が行なわれています。

 今回は、前回に引き続いて、「バイオバンク」から理化学研究所に届いたDNA が二次解析される過程をご覧いただきたいと思います。案内してくださったのは、理研・遺伝子多型研究センター遺伝子多型タイピング研究・支援チームリーダーの久保充明(くぼみちあき)さんです。

1次解析では、1つの病気について1万箇所のSNP にまで候補を絞りました。この1万箇所について、アフィメトリクス社の機械を用いて、さらに詳しく調べます。

 

この作業で使われる「チップ」。左上は十円玉です。このチップのガラスの上に、1万箇所の「探知機」が付いています。

 
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チップ1枚分(1人分)の解析結果。ひとつの光が、ひとつのSNP に対応しています(ここでは1万箇所あります)。遺伝暗号の文字の違いは、赤、黄、緑、青の色の違いで表されます。

 
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なんと、解析データはすべて、スタッフが目視して確認します。目で見て、おかしい解析結果を除外するシステムになっています。

 

目視確認用のコンピューターがずらり。

 
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最後に、インベーダー法という手法で、さらに解析データを確認します。理研が開発した手法を取り入れた機器を使います。出てきたデータは、内部のサーバを通して、統計チームへと引き継がれます。

 

きれいなデータだと、
画面はこんな感じです。

 
試料のながれ

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