バイオバンク通信第10号 1/4

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バイオバンク通信 第10号記念インタビュー

「演技と研究のプロとして、
このプロジェクトを支えています」

いとうまい子さん(女優、イメージキャラクター)
中村祐輔プロジェクトリーダー


いとうまい子さん
(女優、イメージキャラクター)


中村祐輔プロジェクト
リーダー
 

みなさまのおかげで、この「バイオバンク通信」は第10号を発行することができました。これを記念して、本プロジェクトのイメージキャラクターを務めて下さっている、女優のいとうまい子さんと中村祐輔プロジェクトリーダーのインタビューをお送りします。

―いとうさんは、このプロジェクトのイメージキャラクターとして、8年間おつきあいくださっていますが、これまでのプロジェクトの歩みについて、いまどんな感想をお持ちですか。

いとう  こんなに大きな研究プロジェクトであるにも関わらず、最初の頃は、「オーダーメイド医療」という言葉だけを聞いて、「遺伝子操作でもするのか?」と言われたこともありました。でも、「病院に行って見せられたビデオにいとうさんが出ていたから協力させて頂きました!」と言われたこともあり、それは本当に嬉しく思いました。多くの方のご協力に本当に感謝しています。

―このプロジェクトについて、イメージキャラクターを通して広報活動を始められたのは、どうしてですか?

中村  研究者が語りかけても、やっぱり研究者のための研究に必要だというイメージが強くなります。最初に情報提供する役割をいとうさんにお願いすれば、このプロジェクトに一般の方も親しみを持ってもらえるかなと思いました。また、「自分のためじゃなくてみんなで協力して、同じ病気を持っている人とか次の世代の人に少しでもいい医療を」というメッセージも、いとうさんに語ってもらいたかったです。

―いとうさんは、ドラマやバラエティ番組にも出演されていますが、このイメージキャラクターのお仕事の依頼がきたとき、どのように思われましたか?

いとう  医療関係のナビゲートをするのは初めてだったので、こんなに難しいお仕事が私に務まるのかと不安もありましたが、プロジェクトの内容が素晴らしく、是非やらせて頂きたいと思いました。撮影前には遺伝子関係の本を読んで勉強させて頂きました。

―そもそも、いとうさんと中村プロジェクトリーダーは、どのようにお知り合いになったのですか?

中村  イメージキャラクター候補の方を何人か紹介していただいた中にいとうさんがいらっしゃいました。NHKの「中学生日記」の先生役をなさっていたこともあるし、この方だったら、患者さんにとってもすごく入りやすいんじゃないかなと思って、いとうさんにお願いしたんですよね。

―お互いの第一印象は?

中村  いとうさんからの最初の質問が「テロメア(*)と寿命は関係するんですか?」という、まさか女優さんからテロメアという専門用語が出てくると思わなかったので驚きました。さらに、ビデオ撮影の様子を見ていても、セリフ自体がしっかり頭に入っていて、内容まである程度理解されてこられたという意味では、研究者としては、一気に親しみが持てましたよね。

いとう  テロメアは遺伝子関係の本を読んでいる時に「老化と深く関わっている」といった内容を見つけたんですよね。でも、そこにはあまり詳しく説明されていなかったので、お会いできたら絶対に伺おう!と思っていたので聞いてしまいました。

(*)テロメア:染色体の末端にある構造のこと。DNAの分解や修復から染色体を保護する役割をもち、テロメアが短縮すると細胞が老化するといわれている。

―女優と科学者は、一見、まったく違う世界のように見えますが、職業として共感できる部分はありますか?

いとう  いつも中村先生にお会いする度に思うのですが、患者さんのために真剣に命をかけて医療に取り組まれている姿には感動します。一人でも多くの人の幸せを願って頑張っている姿を拝見すると、私も頑張らなくては!と、いつも励まされます。

中村  私には女優さんのお仕事はわかりませんが、演じるためにはしっかり内容を理解していないといけないですよね。時間としてはわずかかもしれないけど、その演技に全力を尽くしてこられることに関しては、プロフェッショナルとしての共感というか尊敬を覚えます。

―お二人とも大変お忙しい日々を送られています。「バイオバンク通信」第1号(2008年発行)では、中村プロジェクトリーダーは、「多忙な研究の合間にどんな息抜きをされていますか」という質問に、「特に何もしていません」というお返事でした。今はいかがですか?

中村  やっぱり何もないですよ(笑)。健康のために水泳はやっていますけども。週1回で1キロ弱ぐらい。平泳ぎとか背泳ぎとか。まだ個人メドレーできるんで(笑)。本当はゴルフが好きなんだけど、なかなか機会がなくなりました。

いとう  先生はお忙しいのに水泳を続けていらっしゃって本当に凄いな…と思うのですが、私こそ何もないです。ただ、息抜きではないのですが、今年から大学で勉強を始めましたので、仕事の合間を縫って勉強するのが楽しみのひとつになっています。もっと勉強をして少しでも人の役に立ちたいと思っています。

―最後に患者さんへのメッセージを一言お願いできますでしょうか。

中村  患者さんとそのご家族と研究者と医療従事者とが一緒になって、初めて医学研究は進んでいくと思うので、そういう雰囲気をつくり上げていきたいと思います。現に、我々は20万人の人に支えられていて、患者さんには心から感謝しています。研究者も頑張っていきますので、今後ともこのプロジェクトを支えてください。

 

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