プログラムに関するQ&A

目的や運営

Q. プログラムのゴールとは、何ですか?
A.

このプログラム(第3期)は2013年から5年計画で行われていますが、研究の経過次第では延長することも考えられます。ゴールはひとつではありません。ひとつは、病気の詳しい 原因を解明すること。そして、それを通して新しい薬や治療法を開発していくということ。また、遺伝子の特徴が合うか合わないかを調べて副作用を回避するような「オーダーメイド医療」の実現が求められます。さらには、私たちがどのような病気にかかりやすいのかを知り、個人個人がもっと自分の健康に責任をもつような時代となることも考えられます。そうした時代には、病気の予防や病気の重症化を防ぐために遺伝子の情報がより広く使われるようになると考えています。

 
  
Q. プログラムの対象疾患にははいっていないのですが、私が受診している病気も対象に加えられないでしょうか?
A. 根本原因がわかっていない病気はまだまだ多く、できるかぎり研究の対象とする疾患を増やしたいのですが、研究のための人的・経済的資源や一定期間内に集められる症例数などによりおのずと限界があることをご理解ください。
今対象としている疾患の研究で成果が出れば、それが評価されて予算的にももっと大きな支援が得られて、規模を広げることが可能になると思います。そのためにも現時点で決められた疾患について、患者さんの役に立つ成果をできるだけ早く出すべく全力で取り組んでいます。
 
  
Q. 研究の結果はどこで知ることができるのでしょうか?
A. 医療上重要な結果については、ホームページやマスコミを通じて随時公開していく予定です。
 
  
Q. 日本以外の国でもこのような研究がなされていますか?
A. 日本以外でも、数十万人のゲノムDNAを収集する研究が行われています。しかし、日本人と、外国人とでは遺伝子の多様性の部位や頻度が異なります。したがって、日本でオーダーメイド医療を実現するためには、外国の結果に頼るのではなく、日本独自にこのような大規模な研究を行う必要があります。
 
  
Q. アメリカやイギリスでも同じような研究をしているそうですが、それならその成果を利用できるのではないでしょうか?
日本で独自に行う意味はあるのですか?
A.

日本で独自に研究を進める意味は2つあります。

1つめは科学的な理由です。現在欧米ですすめられているのは欧米人の遺伝情報の研究ですが、欧米人と日本人の遺伝暗号はかなり違っているということがすでに科学的にわかっています。したがって欧米人の遺伝情報を日本人向けの医療にそのまま適用することはできません。たとえば日本では毎年100人前後の子供がインフルエンザ脳症で亡くなっていますが、欧米の子供がこの病気にかかるということはほとんどありません。また頭痛がするとき、欧米人と同じ量のアスピリンを日本人が服用すると、多くの方が胃痛をおこします。一方日本ではほどんど見られないピーナッツアレルギーで、アメリカでは1年に100人程度がなくなっているのです。これらは欧米人と日本人の遺伝暗号の違いによるものです。

2つめは日本人の遺伝暗号に関する知的所有権を他国に握られると、新しい薬や診断方法を利用するときに特許使用料として他国にお金を払わなければならなくなる、ということです。日本は現在すでに世界有数の医薬品使用国であり、今後急速に高齢社会化するのにともなって医療費も増加するであろうことは世界中の周知するところです。言い換えれば医薬品や診断方法を開発・販売する側にとって日本は市場規模からも市場の成長性からも極めて重要であるということです。ですから日本が独自に、しかも先んじて行わなければ、欧米のどこかで医療への応用を目的として日本人の遺伝暗号が解読されることは間違いありません。これは最終的には患者さんと国の医療費負担を増やすことにつながります。

C型肝炎の診断を例にとると、1回の診断料数千円のうち数十%を2件の特許使用料という名目でアメリカの会社に支払っています。この特許の1つは肝炎ウイルスの遺伝暗号を利用する特許で、もうひとつは診断する技術に関する特許です。逆に言えば、日本の国と企業が連携して研究開発を進め、遺伝暗号と診断方法に関する知的所有権を取得できれば、患者さんや国が負担する医療費を節減することにつながりますし、またその特許が他国で利用されれば日本の国や企業に特許使用料をもたらすことになります。

 
  
Q. 「オーダーメイド医療」によって、医療費が増えることも考えられますか?
A. 現在、副作用によって数兆円の医療費が使われていると考えられています。オーダーメイド医療の開発により、これらのマッチポンプ的な医療費は節減されることが期待されます。オーダーメイド医療を実践するための遺伝子多型の検査費は増えることが予想されますが、重要なことは、個人に最適な医療を実践することですので、そのための医療費は必要だと考えています。また、病気を適切に診断して治療することは、病気の重症化の回避にもつながります。これらによって、病気で働けない時間が短縮されることも期待でき、重症化によって働けなくなることも避けうると考えています。当然ながら、これらは社会福祉費の節減につながります。いい医療を提供することは、生活の質の向上、労働力の確保にもつながってくるのです。
 
  
Q. NHKのクローズアップ現代を見て、イギリスで起きている保険差別の問題に不安を感じました。このプログラムに協力すると同様のことが起こるのでしょうか?
A.

2003年10月20日(月)、NHK総合テレビで夜7時時半からのクローズアップ現代『“究極の個人情報”をどう生かす ~動き出した遺伝子プロジェクト~』で、本プロジェクトが取り上げられました。本番組についての概要をご紹介するとともに番組に対するプロジェクトからのコメントを掲載しました。

プロジェクトからのコメント:~決定因子と危険因子について~ はこちら

 
  
Q. 民間にも情報提供するそうですが、それは具体的にはどういうところに情報を提供するのですか? もし製薬会社などに情報提供するならその企業だけに利益が行ってしまうように思われるのですがそうとは限らないのですか?
A. 製薬企業や診断企業への提供を行います。もしこれらの企業が利益を得ることになれば、それは新しい薬や新しい診断法が開発されたことを意味し、患者さんにも大きな利益をもたらすことを意味します。また利益を得た企業は税金を納めるという形で国に貢献することにもなります。
 
  
Q. 民間にも情報提供するとされていますが、それは個人情報の漏洩につながらないのですか?
A. 「糖尿病」で「神経障害」 がでた患者というように限られたキーワードでDNAや血清を選択して提供しますので個人を特定できる情報・詳しい臨床情報は提供されません。
 
  
Q. 「全体的な臨床情報データベース」というのは、どこに作られ、どのように保管されるのですか? これは、医療機関内の臨床情報データベースとは別のものですか?
A. 統合臨床データベースには、各医療機関でインフォームドコンセントを経て患者さんから提供され、医療機関内の臨床データベースに保管されている情報のうち、名前や住所など個人を特定するための情報を除き、かわりに匿名化ID(バイオバンクID)が付されたものが集められます。統合臨床データベースは本プログラムの主幹研究機関である東京大学医科学研究所において管理します。また医療機関内の臨床データベースと統合臨床データベースは回線で結ばれていない独立したデータベース(専門的にはスタンド・アローンといいます)になっています。
 
  
Q. 自分はアルコールを全く受け付けない体質で、俗に言う下戸です。酒を飲めない人は人間関係でたくさんの障害にぶちあたります。下戸を治す事はできないのでしょうか? 遺伝子治療というもので、塩基配列を組み替えてアセトアルデヒド脱水酵素を生成させることは不可能でしょうか?
A. 申し訳ありませんが、できません。
 
  

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