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[プレスリリース]がん患者のY染色体が失われる?放射線治療とY染色体喪失の関連を初報告~順天堂大学とバイオバンク・ジャパンの大規模データから明らかに~

2025.9.9

ニュースプレスリリース

バイオバンク・ジャパン(BBJ)の試料・情報を利用した研究の成果論文が国際科学誌 NPJ Agingに掲載されました。

順天堂大学 大学院医学研究科の小林拓郎非常勤助教、八谷剛史 客員准教授、東京大学医科学研究所の森崎隆幸客員教授(同大学大学院新領域創成科学研究科 特任教授)らの共同研究グループは、男性がん患者において診断後に血液中でY染色体の一部が失われる現象(mosaic loss of chromosome Y: mLOY)が増える傾向が報告されていることに着目しました。mLOYは、がんや心疾患、アルツハイマーのリスク因子となることが報告されています。
研究グループは、順天堂医院の前立腺がん患者348名のDNAを解析し、がん治療法ごとのmLOYの頻度を調査しました。その結果、局所放射線治療を受けた患者では、治療を受けていない患者と比較してmLOY陽性率が有意に高いことを発見しました。さらに、バイオバンク・ジャパンに登録された前立腺、肺、大腸、胃がんの約3万人分の大規模データを解析したところ、同様の関連が確認されました。

本成果は、mLOYの新たな外的要因として放射線治療の関与を示すとともに、がん患者におけるmLOY測定の重要性を明らかにするものです。

詳細は原著論文やプレスリリース全文にてご確認ください。

原著論文

Local radiotherapy for cancer patients is associated with mosaic loss of chromosome Y, a hallmark of male aging
NPJ Aging. 2025 Jul 29;11(1):69

東京大学からのプレスリリース記事

https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00350.html