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協力者の皆様へ

協力者のみなさまへ -BBJが目指すゲノム医療と新たな取組み

バイオバンク・ジャパンは、
みなさまのご協力に支えられています

協力者のみなさまと共に

バイオバンク・ジャパンでは、以下のプロジェクトにおいて、研究に参加された27万人もの患者さんからご提供いただいた試料・情報を保管しています。

  • 2003~2012年度「オーダーメイド医療実現化プロジェクト(第1期・第2期)」
  • 2013~2017年度「オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)」


協力者である患者さんのご支援のお陰で、BBJの試料・情報を用いた多くの研究成果が日々、生み出されています。個人の遺伝情報の違いと病気との関係などについて研究成果は、ネイチャー(Nature)を始めとする権威ある国際科学誌に多数掲載され、日本のみならず世界のゲノム研究の発展に貢献しています。

国際科学誌ネイチャーには、2022年12月時点で、約600本の研究成果が掲載されています。

BBJ試料と情報を利用して発表された論文(疾患別)

2022年12月末現在、BBJから提供された試料・情報を使って行われた研究論文やBBJに関連する研究論文が国際的な科学雑誌に約600本掲載されています。BBJの試料と情報を利用し、疾患や薬剤に関連する遺伝子のほかにも、身体的特徴やバイオマーカーに関する遺伝子が発見されています。そのほかにも、BBJ登録者全体の特性に関する報告もされています。こうした研究成果は、世界中の研究者に共有・活用され、ゲノム医療の実装へとつながることが期待されています。

BBJの試料などを利用して発表された論文は、以下の疾患などを対象としています。

疾患分類疾患名
神経・精神疾患アルツハイマー病、 気分障害、 筋萎縞性側硬化症(ALS) 、 双極性障害、パーキンソン病
眼科・耳鼻科疾患アレルギー性鼻炎、 加齢黄斑変性症、 緑内障
内分泌・代謝疾患脂質異常症、痛風・高尿酸血症、糖尿病、バセドウ病
心疾患・脳血管疾患アテローム血栓性脳卒中、 冠動脈心疾患、 胸部大動脈瘤、 虚血性脳卒中、 心筋梗塞、 心血管疾患、 心房細動、 川崎病、 頭蓋内動脈瘤、 脳梗塞、 胸部大動脈瘤、 末租勤脈疾患(PAD)
腫瘍性疾患胃がん、肝がん、食道がん、膵臓がん、前立線がん、大腸がん、胆嚢がん、乳がん、肺がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、膀胱がん
消化器疾患B型肝炎. C型肝炎、胃潰瘍、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、肝障害、クローン病、自己免疫性肝炎、十二指腸潰瘍
呼吸器疾患結核、喘息、特発性肺線維症
腎・尿路系疾患腎機能、腎結石、ネフローゼ症候群
婦人科系疾患子宮筋腫、子宮内膜症
骨・結合組織疾患関節リウマチ、後縦靭帯骨化症、骨粗鬆症、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、特発性側弯症、特発性大腿骨頭壊死症、
変形性膝関節症、腰椎椎間板変性症
皮膚疾患アトピー性皮膚炎. ケロイド
歯科・口腔疾患歯周炎
薬剤関連副作用、薬剤応答性、薬剤性過敏症症候群(薬疹)
その他BBJ登録者全体の特性、身体的特徴、統計等の研究方法、パイオマーカー・検査値

BBJの試料と情報を利用して創出された研究成果については、プレスリリースや短い記事にてご紹介していますので、ぜひご一読ください。

プレスリリース記事

論文成果一覧

BBJの活動と研究成果

私たちが目指すゲノム医療とは

BBJが目指すのは、患者さん個人の体質(遺伝情報のちがい)を調べてから、治療方針を決めるという「個別化医療」や、個人の遺伝情報をもとに、前もって病気のなりやすさについて予測をしてから、病気にならないための対応策を決める「個別化予防」です。ひとりひとりの方がより長く健康に過ごすために、より効果的で、より安全な医療を提供することが私たちBBJのめざす医療です。
体質は人によって違います
体型がそれぞれ違うように、「ある病気にかかりやすい」「症状が悪化しやすい」といった体質には個人差があります。また、同じくすりを飲んでも、効きやすい人・効きにくい人・副作用が出やすい人がいます。

遺伝情報の違いが体質に関わることもあります

わたしたち人間の「遺伝情報」は99.9%共通ですが、ほんの少しずつ違い(個人差)があります。「ある病気にかかりやすい」「症状が悪化しやすい」「あるくすりが効きやすい」といった体質は、その方の持つ遺伝情報によって、決まることがあります。

ゲノム研究に求められる協力者のみなさまの情報

2023年に第5期事業を開始したBBJは、ゲノム医療の実装を目指し、更に試料・情報の利活用を進めるとともに、協力者の方々から提供を受けた生体試料のゲノム解析やオミックス解析を進めることで、ゲノム研究のデータ基盤強化を図っています。

近年は、ゲノム解析や生体内の分子の情報を解析する手法が進歩し、広くバイオマーカーの探索研究に利用されています。特にメタボローム、プロテオームなどの代謝物やタンパク質を網羅的に調べるオミックス解析等の手法も解析技術の進歩とともに進化しています。BBJでは、引き続き協力者の方々から提供いただいた試料・情報を利用させていただきながら、これらの解析技術を使った新たなバイオマーカー探索などの研究を推進し、ゲノム医療に貢献します。これらの進化する解析技術を使った研究には、協力者のみなさまの現在までの健康状態の把握が更に重要な意味を持ってきますので、引き続きみなさまからのご協力をお願いするとともに、その後の経過についても貴重な情報としてのご提供のご協力をお願いしております。

ゲノム・オミックス解析

BBJが考える協力者のみなさまとのつながり

BBJでは、協力者のみなさまから提供いただいた試料・情報を広く医療分野の研究に利活用することで、多くの研究成果を生み出すとともに、協力者のみなさまとの研究成果の共有や、研究成果の還元について検討しています。また、研究者だけでなく、患者さんや市民の方々の視点を取り入れる取り組み(患者・市民参画)を行うことにより、協力者(研究対象者)を保護しつつ、適切な事業の運営、研究の実施につなげたいと考えています。

研究への患者・市民参画については、以下をご参照ください。

PPI/E -研究への患者・市民参画

双方向バイオバンクプロジェクトについて

このような取組みの一つが、現在、BBJが開発を進めている協力者の方々とゲノム研究を双方向につなげ、さらに広げてゆく仕組みです。BBJでは研究参加者、医療施設、バイオバンク・ジャパンの間の情報を双方向にやりとりできるプラットフォームの構築を目指します。双方向化を通じて同意手続きの電子化、患者への還元、新規生体試料への対応などを実現し、それによりパンデミック時のサーベイランスや新しい研究提案に迅速に対応できる体制構築につながると期待されます。また、多様な研究ニーズに応えるためにこのプラットフォームをバイオバンク・ジャパン以外の事業体にも展開することも検討しています。

バイオバンクジャパンが描く未来


協力者のみなさまへ向けたお知らせの最新情報については、ニュースページにてご確認ください