News
ニュース
2025.11.10
ニュースプレスリリース共同研究
バイオバンク・ジャパン(BBJ)の試料・情報を利用した研究の成果論文が国際科学誌Nature Communicationsに掲載されました。
千葉大学大学院医学研究院 伊藤薫教授(理化学研究所生命医科学研究センター チームディレクター)、理化学研究所生命医科学研究センター 円山信之リサーチアソシエイト(研究当時)らの研究グループは、BBJおよびUKバイオバンクなどのデータを用いた分析により、日本人集団と欧州系集団の心不全患者を対象に、心不全のタイプ別に異なる遺伝的な特徴を解明し、心不全が起こるメカニズムに集団ごとの違いがあることを明らかにしました。
日本人集団のゲノム解析には、BBJの登録者213,828人のデータが使われ、心不全に関わる5つの新たな遺伝子領域が特定されました。加えて、解析の結果から構築された心不全のなりやすさを点数化した「多遺伝子リスクスコア」(PRS) や、心筋症の原因遺伝子である「TTN」変異のバイオマーカー を調べることで、心不全の進み方や予後を推定することが可能であることを発見しました。この成果は、心不全の精密な診断や治療薬開発につながることが期待されます。

Genome-wide analysis of heart failure yields insights into disease heterogeneity and enables prognostic prediction in the Japanese population
Nat Commun. 2025 Nov 3;16(1):9680
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00359.html