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2024.6.22
共同研究
バイオバンク・ジャパン(BBJ)が共同研究機関として参加した研究プロジェクトの論文成果が科学誌Journal of Atherosclerosis and Thrombosisオンライン版に掲載されました。
この研究では、バイオバンク・ジャパンの協力者のデータをゲノムワイド関連解析(GWAS)して得られた結果を利用して、東北メディカル・メガバンク機構の地域住民コホートの協力者を対象に、糖尿病の発症リスクを検証しました。発症リスクの検証は、糖尿病の遺伝的リスクを測るPRS(ポリジェニック・リスク・スコア)と、生活習慣(肥満、飲酒、規則的な身体活動、肝機能(GGT))、家族歴を組み合わせて行いました。
解析の結果、PRSと生活習慣はそれぞれ独立して糖尿病の発症と関連しており、健康的な生活習慣でも、PRSが高い場合、糖尿病の発症リスクが高いことが確認されました。一方、PRSが低くても、生活習慣が不健康な人ほど糖尿病の発症リスクが高いことが示されました。また、糖尿病の家族歴があると、遺伝的リスクが低く健康的な生活習慣を送っていても糖尿病の発症リスクが高いことが認められました。
この研究により、糖尿病の予防には、個人の体質や家族歴に関わらず、健康的な生活習慣を送ることが重要であること、加えて、健康的な生活習慣を送っていても、PRSが高いまたは糖尿病の家族歴がある場合は、定期的なスクリーニングや早期の介入が必要な可能性が示されました。
<原著論文>
タイトル:Genetic Risk, Healthy Lifestyle Adherence, and Risk of Developing Diabetes in the Japanese Population
https://doi.org/10.5551/jat.64906
公開日:2024.6.22
<東北メディカル・メガバンク機構の掲載記事>
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/58152