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2024.10.3
ニュースプレスリリース
バイオバンク・ジャパン(BBJ)の試料・情報を利用した研究の成果論文が国際科学誌Nature Geneticsに掲載されました。
理化学研究所の寺尾 知可史チームリーダーら国際共同研究グループは、日本人における量的形質[1]に関係する遺伝多型[2]を多数、明らかにしました。同研究グループは、バイオバンク・ジャパンの協力者を含む26万人のデータを使い、全ゲノムシークエンスデータを基に、日本人集団のゲノムワイド関連解析(GWAS)に適合する参照データを作成しました。さらに、作成した参照データを用いてGWAS解析を行い、量的形質の原因と考えられる遺伝多型を特定しました。新たに見つかった遺伝多型には、心不全や、関節リウマチ、結核のリスクに関連するものがあり、これらは日本人集団に特有な遺伝多型であることがわかりました。
本研究の成果は、今後の創薬や精密医療の基礎データとして重要な役割を果たすことが期待されます。
https://www.nature.com/articles/s41588-024-01913-5
https://www.riken.jp/press/2024/20241003_2/index.html
[1] 量的形質: 形質とは個人の持つ性質のことをいい、病気の有無や身長などが含まれる。この中でも特に身長や白血球の数などは連続値であるため、量的形質と呼ばれる。本研究ではこの量的形質に着目して研究を行った。
[2] 遺伝多型: ゲノムは個人間でわずかな違いがある。この違いは一塩基の置換(一塩基多型)から、数十塩基までの挿入や欠失(挿入多型、欠失多型)、さらに大きな挿入や欠失(構造多型)などを含む。