News
ニュース
2024.10.31
細胞内でDNAの遺伝情報を使ってタンパク質を作る際に重要な役割を果たす分子。DNAは二重らせん構造だが、RNAは通常一本鎖の構造。古くから知られているRNAにはmRNA(メッセンジャーRNA)、tRNA(トランスファーRNA)、rRNA(リボソームRNA)の3つがあり、それぞれが働くことにより、タンパク質が作られる。具体的には、mRNAがDNAの遺伝情報を写し取り、必要な情報を運ぶ。このプロセスは「転写」と呼ばれる。tRNA は、mRNAの情報に対応するアミノ酸を運び、リボソームという構造体の上でアミノ酸同士をつなげる。このプロセスを「翻訳」と呼ぶ。rRNAは特定のタンパク質とともにリボソームをつくりあげる。
RNAにはこのほかにもごく短いものがいくつか見つかり、近年、研究が進んでいる。その1つ、miRNA(マイクロRNA)は普通のRNAよりも短く(約20塩基)、直接タンパク質は作らないが、mRNAに部分的に結合してタンパク質の生産を調整することで、細胞の成長や分化 などをコントロールする 。具体的には、miRNAが、特定のmRNAの配列と「ペア」となることで、タンパク質を作る装置であるリボソームが、そのmRNAを読み取れなくなり、その結果、タンパク質生産が抑制される。