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2020.7.1
その他(分類)研究成果のご紹介
さまざまながんや2型糖尿病、脳梗塞、花粉症など、比較的患者さんの多い42の疾患について、約21万人の日本人データを使い、発症リスクを高める遺伝子の個人差を探しました。その結果、27疾患の発症に関連した320の遺伝的個人差を見つけ、そのうち25は、欧州系集団を中心としたこれまでの研究では見つかっていないものでした。
研究を行ったのは、理化学研究所、東京大学などの研究グループです。バイオバンク・ジャパン(BBJ)に登録されている42疾患の患者さんのデータに加え、東北メディカル・メガバンクなど日本のバイオバンクのその疾患の患者さんではない方々のデータを使って解析しました。東アジア系集団を対象にしたゲノムワイド関連解析(GWAS)としては最大規模になります。新たに見つかった25のなかには、虚血性心疾患や肺がん、ケロイドなどの発症に関連する遺伝子の変化がありました。25の変化は東アジア系の集団に比べて、欧州系の集団では持つ人が少ないこともわかりました。
この研究は、疾患の発症リスクにかかわる新しい遺伝的領域を見つけたというだけでなく、さまざまな集団で解析することの重要性を示してもいます。
東京大学によるプレスリリース
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00013.html
成果を発表した論文(英語)
https://www.nature.com/articles/s41588-020-0640-3
※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。