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[研究成果のご紹介]冠動脈疾患の遺伝的リスクを体系的に解明 -国際コンソーシアムによる100万人規模のゲノム解析-

2022.12.6

心疾患・脳血管疾患(分類)研究成果のご紹介

心臓に酸素と栄養を供給する血管のことを冠動脈といい、その冠動脈が詰まったり狭くなったりして、心筋への血液の供給が不十分になってしまうと冠動脈疾患に陥ります。冠動脈疾患には狭心症や心筋梗塞などが含まれ、世界では死因の第一位、日本でも第二位です。冠動脈疾患は環境的要因と遺伝的要因が複雑に影響し合って発症します。

冠動脈疾患発症に関わる遺伝情報を解明するため、アメリカのマサチューセッツ総合病院などの国際共同研究グループは、ヨーロッパ系集団と日本人の症例100万人以上を対象にゲノムワイド関連解析(GWAS)を行いました。それにより見つかった30の新たな疾患感受性座位(冠動脈疾患発症に関わる染色体上のリスク座位)の統合的な解析などにより、高コレステロールや高血圧など冠動脈疾患につながる病気の発展や組織への影響を体系的に明らかにしました。さらに同研究グループは250以上の冠動脈疾患の疾患感受性座位を系統的に特徴付けました。

この研究成果は、冠動脈疾患の背景にある遺伝情報の包括的な理解に役立つだけでなく、ゲノム情報に基づく冠動脈疾患の精密医療の実現に貢献すると期待できます。

東京大学によるプレスリリース
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/9947.html

成果を発表した論文(英語)
Discovery and systematic characterization of risk variants and genes for coronary artery disease in over a million participants

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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