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[研究成果のご紹介]2型糖尿病の原因に関わる遺伝子の仕組みとその影響を明らかに

2024.3.1

内分泌代謝疾患(分類)研究成果のご紹介

2型糖尿病にかかる原因はさまざまで、環境や生活習慣が原因となることはよく知られていますが、遺伝的な影響も大きいといわれています。これまでゲノムワイド関連解析(GWAS)によって、2型糖尿病に関連する500以上の遺伝子領域が見つかりました。

英国マンチェスター大学などの国際共同研究グループは、2型糖尿病の遺伝的な要因を欧州系集団、アジア系集団など遺伝的ルーツが異なる集団で調べるために、約253万人のGWASデータを解析しました。その結果、2型糖尿病に関わる1,289の領域を特定しました。これらは、611の遺伝子に存在していました。そのうち145の遺伝子はこれまで2型糖尿病との関わりが知られていないものでした。

糖尿病は心血管代謝疾患のひとつです。この疾患グループに見られる既存の分類法に基づいた37の特徴(血糖値、肥満度、コレステロール値、血圧など)と、見つかった1,289の遺伝子の一塩基多型(SNP)との関連を見たところ、遺伝子のSNPは重複しない8つのグループに分けることができました。これは、たとえば血糖値に大きく影響する遺伝子の変化は、肥満度への影響はそれほど大きくないことを示しています。

この研究成果は、遺伝子情報に基づいて、集団の違いを考慮し、一人ひとりに合ったより適切な糖尿病の治療法や予防法の開発につながることが期待されます。

東京大学による研究紹介
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/participants/research/saishinkenkyu/20240610-1.html

成果を発表した論文(英語)
Genetic drivers of heterogeneity in type 2 diabetes pathophysiology

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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