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2025.9.2
がん(分類)研究成果のご紹介
がんは遺伝要因と環境要因の相互作用によって発症するといわれます。近年のゲノム医療の発展と次世代シーケンサー技術の進歩などもあり、特定のがん発症リスクと関連する遺伝子の病的バリアントを生まれつき持つ方を特定することが可能となってきました。これにより、その人の遺伝的体質に合わせた予防、早期発見、治療などを個別に提供する個別化医療への応用が期待されています。
理化学研究所(理研)などの研究グループは、がん発症に関連する遺伝子のひとつであるCHEK2 に注目しました。CHEK2は海外の研究、特に米国において乳がんリスクとの関連が報告されていましたが、病原性の判定が難しい遺伝子バリアントが多く存在することが課題でした。さらに日本人を含む東アジア系集団を対象としたCHEK2とがんの関連に関する大規模な解析研究はこれまでおこなわれていませんでした。
研究グループは、バイオバンク・ジャパンに登録された約11万人分のDNAサンプルを用いて、23のがん種を横断したCHEK2に関する大規模ゲノム解析を実施しました。その結果、バリアントの病原性評価に機能解析を組み合わせることで、合計77個の病的バリアントを特定しました。その中でも、p.Arg521TrpというDNA修復を滞らせる可能性のある病的バリアントの頻度が高く、病的バリアント保有患者の約半数に見られることが明らかになりました。一方、欧州系集団で長く受け継がれてきたとされる特定の病的バリアントが今回の日本人集団では確認されないなど、集団間の違いが明らかになりました。また、本研究ではCHEK2の病的バリアントが乳がん、前立腺がんの発症リスクを上昇させること、加えて病的バリアントの保有者が示す臨床的な特徴も明らかにされました。

東京大学によるプレスリリース記事
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00351.html
研究成果が発表された論文(英語)
※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。