ニュース
バイオバンク・ジャパンの試料・情報に関心がある方へ
(研究者向け)
ご協力いただいたみなさんへ
バイオバンク・ジャパンとは
2003年4月に文部科学省の委託事業として開始したオーダーメイド医療実現化プロジェクト(第1期・第2期)では、47種類の病気の方を対象に研究が行われ、全国の約20万人の患者さんのご協力をいただきました。そして、オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)は2013年4月に開始し、38種類の病気の方を対象に、全国から約6万人の患者さんのご協力をいただきました。このような、みなさんのご協力によって、世界最大級の疾患バイオバンク*であるバイオバンク・ジャパンを構築できました。
2018年3月末をもちまして、オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)は終了となりましたが、バイオバンク・ジャパンを継承し、これまで保有してきた試料、臨床情報、ゲノムデータの利活用を促進し、活用されるバイオバンクとして管理・運営を行います。また、他のバイオバンクと連携して、ゲノム医療の実現への貢献をめざしていきます。
*バイオバンクとは、一般の方々や患者さんからご提供いただいたDNA、血清などを保管する倉庫とデータベースのことです。
ごあいさつ
松田 浩一
バイオバンク・ジャパン 代表
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
東京大学 医科学研究所 特任教授
ゲノム医療(ひとりひとりの体質に合った医療)の実装を目指して
ひとりひとりの身体的特徴や個性の多くの部分はDNAに書き込まれた遺伝子によって決まり、そのDNAの連なりがゲノムと呼ばれます。ヒトゲノムは、約30億の遺伝コードがつながったものです。近年のゲノム研究の進歩によって、ひとりひとりの方々がどのような病気になりやすいか、又適切な投薬方法の予測も可能となってきました。
バイオバンク・ジャパン(BBJ)は、2003年、文部科学省の委託事業として東京大学 医科学研究所内に発足し、第1期~第3期にかけて、全国の協力医療機関を通じて27万人もの患者のみなさまに生体試料・情報をご提供いただきました。このようにして世界最大級の規模を持つ疾患バイオバンクとなったBBJは、2023年4月より第5期をスタートさせ、ご提供いただいた生体試料の解析を更に進めることにより、ゲノム医療のデータ基盤としての充実を図るとともに、研究者の方々にはBBJ保有の試料・情報の利活用を推進し、基礎研究・応用研究・実用化研究を下支えすることでゲノム医療の発展に貢献すべく活動を続けています。
近年では、新型コロナウイルス感染症の出現など、我々の健康の脅威となる疾患やその治療法にも大きな変化が生じています。BBJでも医療機関との連携による参加者の臨床情報の定期的な更新に加え、最新の研究手法の導入を進めております。BBJが保管する試料・医療情報やゲノムデータは、個人情報の保護に万全を期す体制のもとで、様々な疾患や感染症への新しい診断・治療の開発を目指す多くの研究者や企業にご活用いただいています。2023年より第5期の活動を開始したBBJは、皆様の尊いご意思とご期待にお応えするべく、バイオバンク・ジャパンの貴重な財産を、さらに活用してもらえるように努力して参ります。
これまでご協力いただいた皆様に、あらためて御礼申し上げますとともに、今後ともご支援ご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
ひとりひとりの遺伝情報に基づく医療を提供する未来に向けて、
人々のつながりを「染色体」「花」「心(ハート)」をモチーフに表現しました。