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[研究成果のご紹介]寿命を短くしている最大の要因は高血圧と肥満

2020.4.1

その他(分類)研究成果のご紹介

世界3カ国の大規模バイオバンクで集めた合計約67万人分のデータを使って解析をし、現代人の寿命や健康寿命を短くする最大の要因は高血圧と肥満であることを突き止めました。ハーバード大学などの国際共同研究グループによる成果で、使ったのは日本のバイオバイク・ジャパン、英国のUKバイオバンク、フィンランドのフィンジェンのデータです。

寿命や健康寿命を短くするリスク要因を突き止めることは、医学研究の最大の目標の1つです。たとえば血糖値や肥満度といった指標(バイオマーカー)が寿命・健康寿命と関連しているとわかっていますが、それが寿命を短くする直接の原因になのか、それとも、何か別の要因が血糖値を上げることと寿命の短縮の両方にかかわっているのか、その因果関係を知るには限界がありました。一方で、ゲノム情報から疾患のリスクを高める遺伝要因を突き止める研究では、その成果に基づいて個々人のリスクの高さを予測することはできても、遺伝要因は変えられないので、寿命・健康寿命を延ばすための方法論に課題がありました。

そこで研究グループは、コレステロール値や尿酸値など、寿命を短くするリスク要因となり得る33の候補バイオマーカーを選び、これに影響するゲノム領域を軸として寿命との関連を解析しました。遺伝要因は変わらないのでリスク要因となるバイオマーカーと寿命との因果関係が保たれることになります。この解析の結果、高血圧が現代人の寿命を最も縮めていて、特に、糖尿病・脳梗塞・脂質異常症を合併した人でその影響は強く、心血管病による死亡と最も強く関連していました。肥満も寿命を最も縮める強い要因でしたが、その影響の強さは欧州系の方が日本人よりも大きいこともわかりました。

東京大学によるプレスリリース
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00061.html

成果を発表した論文(英語)
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0785-8

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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