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2021.6.8
皮膚疾患(分類)研究成果のご紹介
アトピー性皮膚炎は湿疹ともよばれ、皮膚の病気として最も一般的なものの1つで、世界的にも非常によく見られるアレルギー性疾患です。症状が長期間続くことと、なりやすい体質が家族で受け継がれることが特徴で、遺伝的要因が疾患の発症と症状の経過に大きく影響すると考えられています。
理化学研究所、東京大学などの研究グループは、バイオバンク・ジャパン(BBJ)に登録された約12万人のデータを対象に、アジア系集団のアトピー性皮膚炎としては最大規模のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行いました。また、その結果とイギリスのUKバイオバンクのヨーロッパ系集団約10万人を対象にしたGWASの結果とのメタ解析を行うことにより、染色体上でアトピー性皮膚炎の症状やその進行にかかわる8つの新たな領域をみつけました。その中の2つの領域については、たくさんある多型のなかから、疾患の原因となる可能性が高いものを2つ特定しました。これらの2つは日本人でのみ見つかった1塩基多型(SNP)でした。
本研究成果は、アトピー性皮膚炎の病気の仕組みの理解、それに基づいた治療法の開発につながると期待されます。
東京大学によるプレスリリース
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/8606.html
成果を発表した論文(英語)
Eight novel susceptibility loci and putative causal variants in atopic dermatitis
※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。