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[研究成果のご紹介]女性の閉経年齢にかかわる遺伝要因

2021.8.4

婦人科系疾患(分類)研究成果のご紹介

英国ケンブリッジ大学などの国際共同研究グループは、自然な閉経年齢にかかわる290の遺伝子座を同定しました。その結果を使い、早くに閉経する早発卵巣不全のリスクを予測できることも明らかにしました。さらに、関連する遺伝子の知見から、DNA損傷応答プロセスが生殖可能な期間にかかわっていることがわかりました。

研究グループが最初にゲノムワイド関連解析(GWAS)に使ったのは、40〜60歳の間に自然に閉経した20万人以上のヨーロッパ系女性の情報です。得られた結果について、バイオバンク・ジャパンに登録してある約4万7000人の閉経年齢を含む情報で解析したところ、290領域でほぼ同じ結果になりましたが、一部で日欧での集団差が見られました。

見つかった290の領域には、DNAがダメージを受けたときに対処する多彩な遺伝子が含まれていました。従来のマウスでの研究から生殖可能期間に関係するとわかっている遺伝子も、290の中に含まれていました。

近代以降、平均寿命は大いに延びましたが、閉経年齢は50〜52歳とほとんど変わっていません(自然な生殖可能年齢は閉経の10年前とされています)。今回の成果は、女性の生殖機能がどのように維持され、加齢でどう変化するかを知る手がかりとなります。

東京大学によるプレスリリース
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00112.html

成果を発表した原論文(英語)
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03779-7

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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