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[研究成果のご紹介]世界149万人のデータを使って緑内障にかかわる遺伝子を探索

2024.2.20

眼科・耳鼻科疾患(分類)研究成果のご紹介

米国バンダービルド大学などの国際共同研究グループは、バイオバンク・ジャパンを含む世界の15のバイオバンクのデータを使い、開放隅角緑内障(POAG)にかかわる遺伝子を探索しました。POAGは日本でも世界でも失明の最大の原因となっていますが、その発症メカニズムについては詳しくわかっていません。発症リスクを高める遺伝的要因が見つかれば、発症に至るメカニズムの解明に役立ち、将来的には予防や治療にもつながると期待できます。

解析に用いたのは欧州系、東アジア系、南アジア系、アフリカ系など6つの集団にわたる約149万人(うち患者は約46,000人)分のデータです。その結果、62の遺伝領域がPOAGにかかわるとわかりました。そのなかにはアフリカ系など特定の集団に多く見られるものや男性、あるいは女性に多く見られるものがありました。また、見つかった遺伝子だけでなく、それらが発現を調節しているほかの遺伝子も含めて詳しく調べたところ、血管の成長や形態にかかわる経路、がんに関連する経路、さらには細胞の死滅に関する経路がかかわっていることもわかりました。

この研究は、集団や性別によって違いがあるというPOAGの複雑さを明らかにし、発症メカニズムに関する理解をさらに深めることにつながると期待されます。

成果を発表した論文(英語)
Novel ancestry-specific primary open-angle glaucoma loci and shared biology with vascular mechanisms and cell proliferation

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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