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[研究成果のご紹介]日本人の食習慣に関連する遺伝子を発見

2020.3.1

その他(分類)研究成果のご紹介

日々どんな物を食べているのかは健康に大いに影響します。食習慣は、文化や宗教、気候といった環境要因の影響を受けますが、酒の強さなどは遺伝要因がかかわっていることも知られています。しかし、食習慣にかかわる遺伝要因の研究はあまり進んでいません。大阪大学、東京大学などの研究グループは、バイオバンク・ジャパンに登録されている日本人のデータを使い、ゲノム上で食習慣に関連する領域(遺伝子座)を突き止め、これらの遺伝子座が、さまざまな病気や血液検査などの値に対しても多彩な形で関連することを明らかにしました。

使ったのは約165,000人の遺伝情報と、飲酒(飲酒歴の有無、1週間の飲酒量)、飲料(コーヒー、緑茶、牛乳)や食品(ヨーグルト、チーズ、納豆、豆腐、魚、小魚、野菜、肉)の摂取頻度といった13項目の食習慣の情報です。解析の結果、いずれかの項目と関連のあるゲノム領域9カ所を突き止めました。うち5個が、14種類の病気および39種類の臨床検査値の少なくとも1つと関連していました。特に、多くの食習慣と関連する12番染色体にあるALDH2遺伝子でのある特定の多型は、12種類の病気と29種類の臨床検査値に対して広く多面的な関連を持つことが明らかになりました。

この成果は、日本人の食習慣に関連する遺伝的背景の理解に役立ち、遺伝学的影響による食習慣と疾患リスクや予後の予測、個別化医療の実現に貢献すると期待できます。

理化学研究所によるプレスリリース
https://www.riken.jp/press/2020/20200130_1/index.html

成果を発表した論文(英語)
GWAS of 165,084 Japanese individuals identified nine loci associated with dietary habits

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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