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[研究成果のご紹介]東アジア系と欧州系で大腸がんにかかわる遺伝子を詳細に調査

2024.4.26

がん(分類)研究成果のご紹介

ゲノムDNA上で大腸がんの発症にかかわる遺伝領域は200ほど報告されていますが、その多くは遺伝子ではなく、ほかの遺伝子の発現を調節している領域と推測されています。しかし、どのような遺伝子を介して発症に関与しているのかはよくわかっていません。米国バンダービルド大学などの国際共同研究グループは、東アジア系(27%)と欧州系(73%)の大腸がん患者約10万人と対照群約15万人のデータによるゲノムワイド関連解析(GWAS)データを使って、詳細な解析を行いました。

その結果、238の領域が大腸がんに関連しているとわかりました。その多くは欧州系・東アジア系の双方にありましたが、60領域は欧州系でのみ、7領域は東アジア系に固有のものでした。また、見つかった領域がどのようにほかの遺伝子の発現を調整しているかを調べたところ、136の大腸がんにかかわっていると思われる遺伝子が見つかり、そのなかにはエネルギーをつくる解糖系にかかわる遺伝子や、ある特定の細胞だけではたらく遺伝子もありました。

これらの知見は大腸がんの発症メカニズムに関するより深い理解に役立つと期待されます。

成果を発表した論文(英語)
Fine-mapping analysis including over 254,000 East Asian and European descendants identifies 136 putative colorectal cancer susceptibility genes

※[研究成果のご紹介]では主に試料・情報をご提供いただいた協力者のみなさま向けに、これまでのBBJが関わる研究成果を分かりやすくご紹介しています。

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